服工房では、流行を肌で感じるために、定期的に日本の街を巡っています。その時に生地も買うことも多いのですが、生地の産地の情報を見聞きする機会が増えました。そこで、全国の産地を見て回りたいなということで、調べてすぐ出るような、まあ有名なところをこのマップを参考にして、23か所の産地(SENI-SEARCH.JP、つくるのいえのHPを参考)に行って、生地の特徴を調べて、見て、触って、聞いて、生地を買って、服工房の型紙で服を作っています。
ここでは、各産地の特徴や実際に訪問した工場やお店、さらには洋裁好きが行ってみてどの程度楽しめるのかを服工房の視点で記載しております。また、この生地の産地巡りはYouTube動画で逐次配信しております。
#13尾州産地 2025.10.24-26訪問
●尾州産地とは?
今回は、愛知県一宮市と岐阜県羽島市にまたがる「尾州産地」を訪ねました。
尾州地方は、日本を代表する毛織物の産地として知られています。
最新鋭の機械だけでなく、100年以上前の織機も現役で使われており、味わい深い生地が生まれる土地でもあります。
また、世界のトップブランドにも多く採用されるなど、高級生地の産地としても有名です。
さらに、産地ならではのアウトレット生地を直接入手できるのも魅力のひとつです。
●訪問した工場やお店
・鈴憲毛織株式会社/楽天市場SK-Labo▶https://www.rakuten.co.jp/texpower-suzuken/
・小塚毛織株式会社/はたやのてしごと▶https://www.instagram.com/hataya_no_teshigoto/
・Re-TAiL/インスタグラム▶https://www.instagram.com/re_tail_jp/
・宮田毛織工業株式会社/色と柄Instagram▶https://www.instagram.com/irotogara/
・Kion Studio ANNEX(キオンステューディオ・アネックス)▶https://kionstudio.official.ec/?srsltid=AfmBOorTuUmRmzm1DhUBji7svgmUgR4bkZytJIkB60b00S95V5DCEAGV
・ピアチューレ販売情報▶https://bishu-japan.com/company/detail/99
●生地産地巡りおすすめ度→★★★★★
愛知県一宮市と岐阜県羽島市は、広い濃尾平野の一角にありますが、比較的広範囲に分散しているため、街歩きではなく自家用車で回ることになります。年一回行われている羊サミットはぜひ行ってみてほしいイベントです。常設の店舗もありますが、不定期の販売所やイベント形式のものもあります。そのため、訪問前には営業日や開催情報を事前に確認しておくことをおすすめします。
#12桐生産地 2025.6.25-26訪問
●桐生産地とは?
今回は、群馬県桐生市にある桐生産地を訪れました。
桐生地方は、よく知られている 富岡製糸場 に近いこともあり、古くから絹織物の産地として発展してきました。現在では絹織物に加え、多品種・多品目の織物産地として、ジャカード織をはじめとするさまざまな織物が生産されています。また、桐生市には歴史的な建物が数多く残されており、織物の歴史を感じながら街歩きを楽しめる地域としても知られています。
今回は、この歴史ある桐生産地を探訪してみました。
●訪問した工場やお店
・桐生絹織株式会社/インスタグラム▶https://www.instagram.com/kiryu.kensyoku/
・須裁株式会社▶https://susai.jp/
●生地産地巡りおすすめ度→★★★★★
桐生市は、歴史を感じさせる町並みが残る、街歩きも楽しめる魅力的な地域でした。
生地産地としても、ワークショップの開催や産地ならではの生地販売など特色が多く、織物に興味のある方には特におすすめできる産地だと思います。ただし、生地の販売方法は常設店だけでなく、不定期の販売会やイベント形式のものもあります。そのため、訪問前には営業日や開催情報を事前に確認しておくことをおすすめします。
#11三備産地その2 2025.3.20訪問
●三備産地とは?
岡山県から広島県にかけての備前・備中・備後地域の総称として「三備」と呼ばれています。デニムや学生服、帆布(はんぷ)など、丈夫な綿生地の産地として知られています。特に児島の国産ジーンズは全国的にも有名です。
今回は、その三備産地のものづくりの裾野を広げる存在として、刺繍生地を製作されている岡山県赤磐市を訪問しました。
●訪問した工場やお店
・音の絵webショップ(ミンネ)▶https://minne.com/@0331wake?srsltid=AfmBOoqzWDJL1m36PCqM-8bNW52C74h0xi9O8ktpT7UzcffuZrtW8dEF
●生地産地巡りおすすめ度→★★★
現在の三備産地といえば、前回訪問した倉敷市児島のジーンズ産業が有名ですが、今回訪問した赤磐市は岡山県北東部の山あいに位置し、児島とは少し離れた地域になります。
そのため、三備産地を巡る流れの中で立ち寄る場所というよりは、「音の絵」さんを目的に訪れる場所と言えるかもしれません。音の絵さんは独特の世界観を持つ魅力的なお店で、1軒だけの訪問でも十分満足できると思います。
ただし、他の生地産地のように複数のお店や施設を巡れる地域ではありませんので、その点はあらかじめ承知しておくとよいでしょう。
#10湖東産地 2025.3.19訪問
●湖東産地とは?
滋賀県の琵琶湖東岸に位置する地域で、麻生地の産地として知られています。近江地方と呼ばれるこの地域は、古くから人・モノ・水が集まる交通の要衝であり、麻織物の一大生産地として発展してきました。
麻織物の伝統工芸品として有名な「近江上布」や「近江ちぢみ」の技術は現在も受け継がれており、今なお活気のある産地です。
●訪問した工場やお店
・近江上布伝統産業会館(webショップあり)▶https://omi-jofu.com/
・麻香 近江八幡店▶https://www.kotosen.com/shop/
・川端晒工場▶滋賀県愛知郡愛荘町愛知川640番地
●生地産地巡りおすすめ度→★★★★
湖東産地には、麻生地の伝統的な手織りを体験できる施設があり、麻生地の種類や価格の面でも満足できました。
一方で、店舗数が特別多いわけではなく、公共交通機関だけで効率よく巡るのは難しい地域です。そのため、訪問の際は自家用車やレンタカーの利用をおすすめします。
#09徳島産地 2024.4.14訪問
●徳島産地とは?
徳島県の吉野川沿いの町々で、藍の産地です。徳島は古くから吉野川の特性を活用して蓼藍(たであい)の一大生産地でした、戦後衰退したようですが、現代に復活し日本遺産として認定されています。
●訪問した工場やお店
・藍屋 山川吉文(徳島県板野郡上板町泉谷字滝ヶ山3)
・藍染工房ルアフ▶https://www.instagram.com/aizome_ruafu/
●生地産地巡りおすすめ度→★★★
徳島産地は藍染が体験できる施設やお店がであることから、今回服工房では白生地を持参して藍染を行いました。現地では藍染の製品もありますが、できればご自身で持参された白生地を藍染されると満足度が上がるのではないでしょうか。
#08博多産地 2023.11.23訪問
●博多産地とは?
福岡県の福岡市で、絹織物が主である。約800年の歴史があり、しなやかでありながら
丈夫なため、帯が代表格となっている。博多織をベースに多種多様なモノづくりが進められていました。
●訪問した工場やお店
・博多織工芸館(福岡市西区小戸3-51-22)
●生地産地巡りおすすめ度→★★
博多産地は着物地の産地であることから、一般的な服地としてみると魅力が落ちてしまいます。ただし、現代の製品に対応した生地への取り組みもなされており、しっかりしたドレスに向く生地は、綿生地の産地では見ることができませんから、指向によっては楽しい産地巡りになるかもしれません。
#007筑後・久留米産地 2023.11.22訪問
●筑後・久留米産地とは?
福岡県の久留米市とその周辺であり、元来綿生地の産地であったが、江戸後期に井上伝(1788年〜1869年)により久留米絣が考案され、絣の一大産地となる。現在でも重要無形文化財として後世に伝えられている。また、綿入りはんてんのシェアは9割以上であるとのこと。
●訪問した工場やお店
・かすり工房「藍の詩」 冨久織物(八女郡広川町大字太田1236-1)
・風のおくりもの 久留米絣専門店(福岡県久留米市東町31-7)
●生地産地巡りおすすめ度→★★★★
久留米絣は名の通った日本伝統の生地なのですが、その伝統工芸を広く一般の方に知ってもらう活動が積極的になされている印象でした。織元さんや販売店では絣の何たるかを詳しく教えていただくことができ、生地の奥深さを知る機会になりました。織元さんでの見学は随時行われているようなので久留米絣協同組合へ問い合わせれば対応していただけると思います。見てよし買ってよし、伝統的な綿生地を求められる方には最適な産地ではないでしょうか。
#06富士吉田産地 2023.11.5訪問
●富士吉田産地とは?
山梨県の富士吉田市にあり、甲斐絹(かいき)と呼ばれる絹織物が有名で、細番
手の糸の扱いを得意とする産地。ネクタイ、インテリア、裏地などのほか婦人服地が
成長している。
●訪問した工場やお店
・富士吉田織物協同組合(ハタオリマチ案内所/富士吉田市上吉田2-5-1)
・株式会社前田源商店(富士吉田市下吉田2-25-24)
●生地産地巡りおすすめ度→★★★
ハタオリマチのハタ印HPで情報を得ることができます。ハタオリマチと称して宣伝がされており、第三土曜日には「小さな工場めぐり」という催しがされるなど産地巡りを後押しするイベントがあります。ただし、現地で生地が購入できるところは限られているため、多種多様な生地を求めたい方には不満が残るかもしれません。
#05八王子産地 2023.11.6訪問
●八王子産地とは?
東京都の八王子市にあり、平安時代には記録が残る。
多摩織+先進技術で注目されている。デザイナーとのものづくりを行う工場も多い。
●訪問した工場やお店
・八王子織物工業組合(東京都八王子市八幡町11-2)
・田口織物工場(八王子市大楽寺町178)
●生地産地巡りおすすめ度→★★★
八王子織物工業組合さんで情報を得ることができます。また、つくるのいえ(奥田染工場)さんが積極的に情報発信されています(訪問時はつくるのいえさんの改装工事中できませんでした)。定期的にイベントが開催されているようですが、常時生地を扱うお店を探すことは難しいようでした。
#04米沢産地 2023.10.27訪問
●米沢産地とは?
山形県の米沢市にあり、上杉鷹山(うえすぎようざん)の代に米沢織が興された。絹織物による紅花や藍など植物染料による糸の先染め技術が確立され、後にレーヨンなどで発展した。
●訪問した工場やお店
・株式会社新田(米沢市松が岬2-3-36)
・織元直営ショップ「おりじん」(米沢市門東町1-1-87)
●生地産地巡りおすすめ度→★★★
米沢繊維協議会のHPにわかりやすい案内がありました。染色、縫製などの工場見学も可能で、服工房でもこの協議会でお世話になりました。米沢織の歴史を含めて織物について深く知ることができる産地です。ただ、洋裁の生地を対象とすると、絹織物が主であるため、綿や麻を求める人には向いていないかもしれません。
#03三備産地 2023.9.22訪問
●三備産地とは?
岡山県から広島県の備前、備中、備後の総称として三備と呼ばれている。デニム、学生服、ハンプ等丈夫な綿生地が多いとされる。児島の国産ジーンズはよく知られている。
●訪問した工場やお店
・株式会社ショーワ(倉敷市児島稗田町2006)
・倉敷帆布本店(倉敷市曽原414-2)
●生地産地巡りおすすめ度→★★
デニムや帆布など硬めの生地が主体なので、万人受けはしないなと感じました。お店は既製品が主のようなので、生地を求めて行くには物足りなさを感じます。
#02和泉産地 2023.7.27訪問
●泉州産地とは?
大阪府南西部の泉州地域の北側一帯であり、綿スフ(短繊維)織物で白生地が主体である。
洋服生地のほか、浴衣、手ぬぐいの元生地を生産されている。現在は「和泉木綿」が地域ブランドとして発信中である。
●訪問した工場やお店
・平山繊維株式会社(堺市堺区神石市之町16-24)
●生地産地巡りおすすめ度→★
当産地は業者間取引が主の業態とのことで、一般消費者を対象としたお店を見つけることが難しい産地でした。ただし、ネット販売など泉州木綿を入手することは可能なので、産地へ出向くよりはネットで検索して購入した方が無難かもしれません。
#01西脇産地 2023.7.26訪問
●西脇産地とは?
兵庫県西脇市(人口3.84万人,2023.07)は、「日本のへそ」で知られ、古くから繊維産業で栄えていた。先染の綿織物で国内生産の約70%のシェアを占める。「播州織」とは、シャツ地などに使用される薄手の先染め綿織物で、代表的な柄にギンガムチェックやストライプがある。
●訪問した工場やお店
・直売ショップ「播織~バンオリ~」(兵庫県西脇市鹿野町162)
・株式会社織馬鹿(兵庫県西脇市高田井町137-1)
・布工房風花~kazahana~(西脇市小坂町225-1)
・きれ屋さんぽぷり(兵庫県西脇市谷町126)
●生地産地巡りおすすめ度→★★★★★
洋裁好きにはたまらないお店がいくもあります。広く工場見学が行われているような取り組みはないようですが、直売所や播州織工房館など見どころが多いため、一度は行ってみたい生地産地でしょう。お近くの方でなくても通い詰めている人をよく聞く産地です。